こんにちは、cianaです。
イタリアのある程度の大きさの街には、必ずと言っていいほどオペラ公演のための歌劇場があります。
フィレンツェでのそれは「5月音楽祭劇場(市民劇場)」。
ローマ、ヴェネツィア、ミラノ、ナポリと他の大都市は全て馬蹄形のクラシカルな劇場なのに、この5月音楽祭劇場だけはモダンな現代建築です。
でも、ルネッサンスの都フィレンツェに歴史的な劇場がないわけでは当然ないのです。
それが今回ご紹介するペルゴラ劇場で、現在はオペラではなく演劇の公演を中心に利用されています。
イタリアで最も古いオペラ劇場のひとつ
1952年にジョヴァンニ・カルロ・デ・メディチ枢機卿が不動産組合に命じて建築が始まり、1661年、後のコジモ3世の結婚式での「テーベのヘラクレス」上演のタイミングで完成しました。
担当した建築家はフェルディナンド・タッカで、それまで支配的だったローマ由来の半円形ではなくオペラ座特有の馬蹄形として設計された最古の劇場だと言われています。
その後、時代に応じて手が加えられ続け、1916年に収容人数を増やすためにボックス席の4、5階を壊して桟敷席が取り付けられたところでほぼ現在の姿となりました。
かつてはフィレンツェを代表する歌劇場のひとつとして活躍し、1847年にはオペラ作曲家ヴェルディがこの劇場のために「マクベス」を作曲、自ら初演で指揮までしています。
今回は劇場の見学がてら初めての演劇鑑賞にチャレンジしてみました。
場所はドゥオモ近く、内部は古典的なオペラ劇場
劇場はドゥオモから2、3ブロック東に進んだ落ち着いたエリアにあります。
細い通りに面していて、建物の全容を把握するのが難しいくらいです。
正面入り口は平土間席とボックス席専用、桟敷席は向かって右横の小さな入口から入ることになります。
オペラ座にはよくある階級社会のなごりですね。
内部はクラシカルな馬蹄形。
ボックス席は3階まであり、その上が桟敷席になっています。
ラッキーなことにボックスには私一人だったので、くつろいで観ることができました。
上演言語はもちろんイタリア語。
原作を知っていれば、言葉がわからなくても楽しめるかも?
この日の演目は「カラマーゾフの兄弟」、ロシアの作家ドストエフスキーの代表作です。
原作は長編なのでコンパクトにまとめられています。
もちろん上演言語はイタリア語。
役者さんなだけあって、聞き取りやすい発音です。
上演時間は間に30分の休憩を挟んでの約2時間で、幕の合間に拍手も入ります。
会話を完璧に聞き取るなんてことはまだ私には難しいですし観劇の経験自体も乏しいのですが、舞台づくりや役作り、台詞の調子など興味深くて結構楽しめました。
以下余談になりますけど、ヒョードルお父さんがイワンとアリョーシャの母親について酷い話をした後にアリョーシャが気絶する、というシーンで観客席から笑いが起きていました。
なぜ…? 笑
オペラや映画もそうですけど、海外での観劇って笑いのズレを感じることが多々ありますね。
意外にも、名前はロシア語のままでした。
予約と観劇の仕方、チケット価格
劇場のサイトで公演スケジュールを確認できるので、チケット購入サイトでチケットをオンライン購入すれば予約完了です。
入場の際は完了画面からアクセスできるPDFを印刷するか、スマホにダウンロードして係の方に見せればOK。
価格は最高でも30€ちょっとと、オペラよりはぐっとお手頃です。
参考に今回のチケット料金を載せておきますね。
- 平土間席…34€
- ボックス席…26€
- 桟敷席…18€
服装はごく普通でした。
少しエレガントな装いの方もいましたが、みなさんほぼほぼ普段着。
旅行者の格好でも特別浮くことはないでしょう。
開館情報
できればWebサイトで最新の情報をご確認ください。
ペルゴラ劇場(Teatro della Pergola)
- 住所 Via della Pergola 12/32 – 50121 Firenze
- 電話 +39 055 – 22641
劇場チケットオフィス (Biglietteria Teatro della Pergola)
- 住所 Via della Pergola, 30 – 50121 Firenze
- 電話 +39 055 – 0763333
- 定休 日曜
- 営業 9:30~18:30
イタリア語を勉強されている方や演劇がお好きな方なら、劇場の見学がてらの観劇体験も一興だと思います。
cianaでした。